海外安全対策情報(2020年10月~12月期)
令和3年2月4日
1 社会・治安情勢
(1)コロナ禍で多くの企業が休業し,ホームレスが寝る場所を見つけやすい環境になった影響で,パース市街にホームレスが増加した。思わぬトラブルの原因となり得るので,ホームレスとの接触は避けるよう警察当局は呼びかけている。
(2)今夏も,西豪州各地で山火事が発生しており,山火事警報も発令されている。当局の情報サイトで最新情報を得た上で,危険な地域には近づかない,万が一火災が近くで発生した場合には当局の指示に従い行動し,速やかに避難するなど必要な対応を取り,安全確保が重要となる。
2 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
(1)2020年10月~12月期の総犯罪発生件数は57,737件。パース首都圏では西豪州全体の73.90%が発生している。
また、西豪州警察によれば、2020年の1年間の西豪州全体における総犯罪件数は251,834件であり,そのうち最も多かった犯罪の上位5種類は、窃盗(70,470件)、麻薬取引(29,127件)、破壊行為(26,398件)、詐欺(25,912件)、家庭内暴力(22,219件)であった。
(ア)窃盗事件
依然として総犯罪件数の約3分の1を占める犯罪であることに変わりはない。財布などの貴重品の管理は細心の注意を払い,基本的防犯対策を講じ,また,不審に感じる場面に遭遇した際にはすぐにその場を立ち去ることが必要。一般的に,犯罪を招きやすいので,車内に所持品を置いておくべきではないと警察も注意喚起している。
(イ)薬物犯罪
報道によれば,2019年に行われた配水検査の結果,西豪州民のメタフェタミン(覚醒剤)使用率は豪州で一番高かった。薬物は,暴行,窃盗など多くの犯罪増加にも繋がっており、引き続き注意が必要。なお,連邦警察によるとコロナ禍による西豪州の州境閉鎖により,違法薬物の積み荷を押収することが以前より増加しているとのこと。
(ウ)詐欺事件
連邦警察によると,今年は電話による振り込め詐欺が増加した。特に中国人コミュニティをターゲットとし,発信者が警察や政府機関を装い,被害者に金銭を要求するケースが発生している。警察や政府機関は,決して電話で金銭を要求することはないとして,注意喚起を呼びかけている。
(エ)家庭内暴力
2020年3月以降,新型コロナウイルスの影響により,在宅勤務を余儀なくされる方が増えた中,家庭でのストレス増加に起因した児童虐待等の家庭内暴力が増加傾向にあった。
(2)20年10月~12月の主な犯罪発生件数内訳
(前年同期比(19年10月~12月))
(ア)西豪州全体 (合計57,737件 (▲21.55%))
(1)家庭内暴行 6,476件 (+17.64%)
(2)家庭外暴行 3,255件 (▲ 0.79%)
(3)脅迫 1,732件 (+ 9.41%)
(4)住居侵入窃盗 3,872件 (▲41.30%)
(5)殺人 18件 (+ 5.88%)
(6)窃盗 13,713件 (▲40.48%)
(7)性犯罪 1,439件 (+22.16%)
(8)麻薬 6,153件 (▲16.17%)
(9)詐欺 6,576件 (▲12.98%)
(イ)パース首都圏(合計42,670件 (▲24.32%))
(1)家庭内暴行 3,691件 (+13.33%)
(2)家庭外暴行 2,251件 (▲ 1.53%)
(3)脅迫 1,081件 (+ 1.69%)
(4)住居侵入窃盗 2,867件 (▲42.55%)
(5)殺人 13件 (+44.44%)
(6)窃盗 11,508件 (▲41.54%)
(7)性犯罪 1,052件 (+21.76%)
(8)麻薬 4,565件 (▲13.53%)
(9)詐欺 5,866件 (▲13.59%)
(3)邦人被害事案
2020年12月,ノースブリッジにて邦人女性が7~8人の10代の男女グループに暴力を振るわれるという被害が報告された。
3 テロ・爆弾事件発生状況
(ア)特異な事件は報告されていない。
(イ)テロ警戒レベルは引き続きレベル3の「起こる可能性がある(Probable)」である。パースはテロの脅威度は東海岸の都市に比べて低いとみられているが,豪州を含め多くの国でISILの帰還戦闘員の問題が発生しており,注意を要する。
報道によると,2020年12月,オンライン上で外国でのテロを扇動した容疑で,当地の男性が逮捕される事案が発生している。
4 誘拐・脅迫事件発生状況
特異な事件は報告されていない。
5 日本企業の安全に関わる諸問題
当地では一般的に対日感情は良好であり,現在までのところ日本企業にとって安全面で脅威になる問題は認められない。(了)
(1)コロナ禍で多くの企業が休業し,ホームレスが寝る場所を見つけやすい環境になった影響で,パース市街にホームレスが増加した。思わぬトラブルの原因となり得るので,ホームレスとの接触は避けるよう警察当局は呼びかけている。
(2)今夏も,西豪州各地で山火事が発生しており,山火事警報も発令されている。当局の情報サイトで最新情報を得た上で,危険な地域には近づかない,万が一火災が近くで発生した場合には当局の指示に従い行動し,速やかに避難するなど必要な対応を取り,安全確保が重要となる。
2 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
(1)2020年10月~12月期の総犯罪発生件数は57,737件。パース首都圏では西豪州全体の73.90%が発生している。
また、西豪州警察によれば、2020年の1年間の西豪州全体における総犯罪件数は251,834件であり,そのうち最も多かった犯罪の上位5種類は、窃盗(70,470件)、麻薬取引(29,127件)、破壊行為(26,398件)、詐欺(25,912件)、家庭内暴力(22,219件)であった。
(ア)窃盗事件
依然として総犯罪件数の約3分の1を占める犯罪であることに変わりはない。財布などの貴重品の管理は細心の注意を払い,基本的防犯対策を講じ,また,不審に感じる場面に遭遇した際にはすぐにその場を立ち去ることが必要。一般的に,犯罪を招きやすいので,車内に所持品を置いておくべきではないと警察も注意喚起している。
(イ)薬物犯罪
報道によれば,2019年に行われた配水検査の結果,西豪州民のメタフェタミン(覚醒剤)使用率は豪州で一番高かった。薬物は,暴行,窃盗など多くの犯罪増加にも繋がっており、引き続き注意が必要。なお,連邦警察によるとコロナ禍による西豪州の州境閉鎖により,違法薬物の積み荷を押収することが以前より増加しているとのこと。
(ウ)詐欺事件
連邦警察によると,今年は電話による振り込め詐欺が増加した。特に中国人コミュニティをターゲットとし,発信者が警察や政府機関を装い,被害者に金銭を要求するケースが発生している。警察や政府機関は,決して電話で金銭を要求することはないとして,注意喚起を呼びかけている。
(エ)家庭内暴力
2020年3月以降,新型コロナウイルスの影響により,在宅勤務を余儀なくされる方が増えた中,家庭でのストレス増加に起因した児童虐待等の家庭内暴力が増加傾向にあった。
(2)20年10月~12月の主な犯罪発生件数内訳
(前年同期比(19年10月~12月))
(ア)西豪州全体 (合計57,737件 (▲21.55%))
(1)家庭内暴行 6,476件 (+17.64%)
(2)家庭外暴行 3,255件 (▲ 0.79%)
(3)脅迫 1,732件 (+ 9.41%)
(4)住居侵入窃盗 3,872件 (▲41.30%)
(5)殺人 18件 (+ 5.88%)
(6)窃盗 13,713件 (▲40.48%)
(7)性犯罪 1,439件 (+22.16%)
(8)麻薬 6,153件 (▲16.17%)
(9)詐欺 6,576件 (▲12.98%)
(イ)パース首都圏(合計42,670件 (▲24.32%))
(1)家庭内暴行 3,691件 (+13.33%)
(2)家庭外暴行 2,251件 (▲ 1.53%)
(3)脅迫 1,081件 (+ 1.69%)
(4)住居侵入窃盗 2,867件 (▲42.55%)
(5)殺人 13件 (+44.44%)
(6)窃盗 11,508件 (▲41.54%)
(7)性犯罪 1,052件 (+21.76%)
(8)麻薬 4,565件 (▲13.53%)
(9)詐欺 5,866件 (▲13.59%)
(3)邦人被害事案
2020年12月,ノースブリッジにて邦人女性が7~8人の10代の男女グループに暴力を振るわれるという被害が報告された。
3 テロ・爆弾事件発生状況
(ア)特異な事件は報告されていない。
(イ)テロ警戒レベルは引き続きレベル3の「起こる可能性がある(Probable)」である。パースはテロの脅威度は東海岸の都市に比べて低いとみられているが,豪州を含め多くの国でISILの帰還戦闘員の問題が発生しており,注意を要する。
報道によると,2020年12月,オンライン上で外国でのテロを扇動した容疑で,当地の男性が逮捕される事案が発生している。
4 誘拐・脅迫事件発生状況
特異な事件は報告されていない。
5 日本企業の安全に関わる諸問題
当地では一般的に対日感情は良好であり,現在までのところ日本企業にとって安全面で脅威になる問題は認められない。(了)