海外安全対策情報(2019年10月~12月期)
令和2年2月17日
1 社会・治安情勢
今夏、例年に比べオーストラリア全土で自然災害が発生している。西オーストラリア州ではヤンチャップやエスペランスで、また東部各州では州をまたがる大規模な森林火災により,野生動物等を含め多くの死傷者や甚大な被害が発生している。
他方,「ブッシュファイヤー被害支援の寄付」と称する詐欺事件が発生しており,電話やメールでの勧誘みならず、自宅訪問の方法でも行われており,注意が必要。
今後,更に深刻な山火事の発生も想定されるところ,当局の情報サイトで最新情報を得た上で,危険な地域には近づかない,万が一火災が近くで発生した場合には当局の指示に従い行動し,速やかに避難するなど必要な対応を取り,安全確保が重要となる。
2 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
(1)2019年10月~12月期の総犯罪発生件数は73,594件。パース首都圏では西豪州全体の76.61%の犯罪が発生している。
また、西豪州警察によれば、2019年の1年間の西豪州全体における総犯罪件数は282,235件であり,そのうち最も多かった犯罪の上位5種類は、窃盗(89,572件)、麻薬取引(29,425件)、詐欺(28,934件)、破壊行為(28,127件),住居侵入窃盗(24,109件)であった。
(ア)窃盗事件
依然として総犯罪件数の3分の1を占める犯罪であることに変わりはない。財布などの貴重品の管理は細心の注意を払い,基本的な防犯対策を講じることが必要。また,不審に感じる場面に遭遇した際にはすぐにその場を立ち去ることも必要。
(イ)薬物犯罪
報道によれば,2019年に行われた配水検査の結果,西豪州民のメタフェタミン(覚醒剤)使用率は豪州で一番高かった。西豪州警察は対策を取っているが,先般もエスペランスで大量の薬物が発見されるなど深刻な状況にある。薬物は,暴行,窃盗など多くの犯罪増加にも繋がっており、引き続き注意が必要。
(ウ)詐欺事件
詐欺事件のほとんどがクレジットカードに関連するものであり,特にスキミング被害が多い。西豪州警察はその対策として,絶対に他人にパスワードを教えない,定期的に使用履歴などを確認するなどを呼びかけており、銀行口座の暗証番号等の管理を徹底する必要がある。
(2)19年10月~12月の主な犯罪発生件数内訳
(前年同期比(18年10月~12月))
(ア)西豪州全体 (合計73,594件 (+ 0.36%))
(1)家庭内暴行 5,505件 (+ 7.90%)
(2)家庭外暴行 3,281件 (+ 3.24%)
(3)脅迫 1,583件 (+ 1.54%)
(4)住居侵入窃盗 6,596件 (+ 5.20%)
(5)殺人 17件 (+ 0%)
(6)窃盗 23,040件 (+ 2.73%)
(7)性犯罪 1,178件 (▲ 8.96%)
(8)麻薬 7,340件 (▲ 3.00%)
(9)詐欺 7,557件 (▲ 9.38%)
(イ)パース首都圏(合計56,380件 (+ 0.20%))
(1)家庭内暴行 3,257件 (+ 8.78%)
(2)家庭外暴行 2,286件 (▲ 0.82%)
(3)脅迫 1,063件 (+ 0.09%)
(4)住居侵入窃盗 4,990件 (+ 2.42%)
(5)殺人 9件 (▲25.00%)
(6)窃盗 19,685件 (+ 3.07%)
(7)性犯罪 864件 (▲10.19%)
(8)麻薬 5,279件 (+ 3.84%)
(9)詐欺 6,783件 (▲ 9.37%)
(3)邦人被害事案
11月,違法物所持(密輸入)の疑いで邦人逮捕事案が発生した。
3 テロ・爆弾事件発生状況
(ア)特異な事件は報告されていない。
(イ)テロ警戒レベルは引き続きレベル3の「起こる可能性がある(Probable)」である。パースはテロの脅威度は東海岸の都市に比べて低いとみられているが,豪州を含め多くの国でISILの帰還戦闘員の問題が発生しており,注意を要する。
4 誘拐・脅迫事件発生状況
特異な事件は報告されていない。
5 日本企業の安全に関わる諸問題
当地では一般的に対日感情は良好であり,現在までのところ日本企業にとって安全面で脅威になる問題は認められない。 (了)
今夏、例年に比べオーストラリア全土で自然災害が発生している。西オーストラリア州ではヤンチャップやエスペランスで、また東部各州では州をまたがる大規模な森林火災により,野生動物等を含め多くの死傷者や甚大な被害が発生している。
他方,「ブッシュファイヤー被害支援の寄付」と称する詐欺事件が発生しており,電話やメールでの勧誘みならず、自宅訪問の方法でも行われており,注意が必要。
今後,更に深刻な山火事の発生も想定されるところ,当局の情報サイトで最新情報を得た上で,危険な地域には近づかない,万が一火災が近くで発生した場合には当局の指示に従い行動し,速やかに避難するなど必要な対応を取り,安全確保が重要となる。
2 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
(1)2019年10月~12月期の総犯罪発生件数は73,594件。パース首都圏では西豪州全体の76.61%の犯罪が発生している。
また、西豪州警察によれば、2019年の1年間の西豪州全体における総犯罪件数は282,235件であり,そのうち最も多かった犯罪の上位5種類は、窃盗(89,572件)、麻薬取引(29,425件)、詐欺(28,934件)、破壊行為(28,127件),住居侵入窃盗(24,109件)であった。
(ア)窃盗事件
依然として総犯罪件数の3分の1を占める犯罪であることに変わりはない。財布などの貴重品の管理は細心の注意を払い,基本的な防犯対策を講じることが必要。また,不審に感じる場面に遭遇した際にはすぐにその場を立ち去ることも必要。
(イ)薬物犯罪
報道によれば,2019年に行われた配水検査の結果,西豪州民のメタフェタミン(覚醒剤)使用率は豪州で一番高かった。西豪州警察は対策を取っているが,先般もエスペランスで大量の薬物が発見されるなど深刻な状況にある。薬物は,暴行,窃盗など多くの犯罪増加にも繋がっており、引き続き注意が必要。
(ウ)詐欺事件
詐欺事件のほとんどがクレジットカードに関連するものであり,特にスキミング被害が多い。西豪州警察はその対策として,絶対に他人にパスワードを教えない,定期的に使用履歴などを確認するなどを呼びかけており、銀行口座の暗証番号等の管理を徹底する必要がある。
(2)19年10月~12月の主な犯罪発生件数内訳
(前年同期比(18年10月~12月))
(ア)西豪州全体 (合計73,594件 (+ 0.36%))
(1)家庭内暴行 5,505件 (+ 7.90%)
(2)家庭外暴行 3,281件 (+ 3.24%)
(3)脅迫 1,583件 (+ 1.54%)
(4)住居侵入窃盗 6,596件 (+ 5.20%)
(5)殺人 17件 (+ 0%)
(6)窃盗 23,040件 (+ 2.73%)
(7)性犯罪 1,178件 (▲ 8.96%)
(8)麻薬 7,340件 (▲ 3.00%)
(9)詐欺 7,557件 (▲ 9.38%)
(イ)パース首都圏(合計56,380件 (+ 0.20%))
(1)家庭内暴行 3,257件 (+ 8.78%)
(2)家庭外暴行 2,286件 (▲ 0.82%)
(3)脅迫 1,063件 (+ 0.09%)
(4)住居侵入窃盗 4,990件 (+ 2.42%)
(5)殺人 9件 (▲25.00%)
(6)窃盗 19,685件 (+ 3.07%)
(7)性犯罪 864件 (▲10.19%)
(8)麻薬 5,279件 (+ 3.84%)
(9)詐欺 6,783件 (▲ 9.37%)
(3)邦人被害事案
11月,違法物所持(密輸入)の疑いで邦人逮捕事案が発生した。
3 テロ・爆弾事件発生状況
(ア)特異な事件は報告されていない。
(イ)テロ警戒レベルは引き続きレベル3の「起こる可能性がある(Probable)」である。パースはテロの脅威度は東海岸の都市に比べて低いとみられているが,豪州を含め多くの国でISILの帰還戦闘員の問題が発生しており,注意を要する。
4 誘拐・脅迫事件発生状況
特異な事件は報告されていない。
5 日本企業の安全に関わる諸問題
当地では一般的に対日感情は良好であり,現在までのところ日本企業にとって安全面で脅威になる問題は認められない。 (了)