海外安全情報(平成30年10月~12月期)

平成31年2月7日
海外安全対策情報(平成30年10月~12月期)
 
1 社会・治安情勢
(1)社会,治安情勢に大きな変化はなく,安定的に推移している。
(2)12月16日に,西豪州北部コーラルベイ沖合約100キロの地点でマグニチュード5.9の地震が発生したが,人的・物的被害はなかった。
なお,この地震は,過去20年間に豪州で発生した地震のうち,2016年北部準州ピーターマンレンジで発生したマグニチュード6の地震に次いで,2番目の大きさのものであった。

2 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
(1)2018年10~12月期の総犯罪発生件数は73,331件で4.8%増加しており、殺人件数は減少したものの、窃盗、性犯罪、詐欺事件は増加した。
パース首都圏で西豪州全体の76.73%の犯罪が発生している状況に大きな変化はない。
また、西豪州警察の統計に基づき算出したところ、2018年の1年間の西豪州全体における総犯罪件数は281,240件であり昨年より2.2%増加した。そのうち最も多かった犯罪の上位5種類は、窃盗(87,400件)、麻薬取引(31,789件)、詐欺(30,251件)、住居侵入窃盗(24,008件)、家庭内暴力(18,536件)であった。
 
(ア)西豪州警察によれば、西豪州では窃盗が多いのも特徴的であり、総犯罪件数のお およそ3分の1をしめる一番多い犯罪である。財布などの貴重品の管理は細心の注意を払い、不審に感じる場面に遭遇した際にはすぐにその場を立ち去る等対策が必要。
(イ)薬物も大きな問題となっており、当地紙報道によれば、不法侵入や窃盗犯罪の多 くは薬物常用者であり、注意を要する。
(ウ)詐欺については,そのほとんどがクレジットカードに関連するものとなってお り,特にスキミング被害が多い。西豪州警察はその対策として,絶対に他人にパスワードを教えない,定期的に使用履歴などを確認するなどを呼びかけており、銀行口座の暗証番号等の管理を徹底する必要がある。
 
(2)18年10~12月の主な犯罪発生件数内訳
(前年同期比(17年10月~12月))
(ア)西豪州全体 (合計73,331件 (+ 4.80%))
 (1)家庭内暴行 5,102件 (▲ 0.14%)
 (2)家庭外暴行 3,178件 (+ 0.28%)
 (3)脅迫 1,559件 (▲ 1.39%)
 (4)住居侵入窃盗 6,270件 (▲ 7.26%)
 (5)殺人 17件 (▲19.05%)
 (6)窃盗 22,428件 (+10.70%)
 (7)性犯罪 1,294件 (+ 6.41%)
 (8)麻薬 7,567件 (▲ 0.70%)
 (9)詐欺 8,339件 (+20.68%)
 
(イ)パース首都圏(合計56,268件 (+ 6.72%))
 (1)家庭内暴行 2,994件 (▲ 3.61%)
 (2)家庭外暴行 2,305件 (+ 4.16%)
 (3)脅迫 1,062件 (▲ 3.89%)
 (4)住居侵入窃盗 4,872件 (▲ 3.77%)
 (5)殺人 12件 (+20.00%)
 (6)窃盗 19,099件 (+13.35%)
 (7)性犯罪 962件 (+ 6.30%)
 (8)麻薬 5,084件 (▲ 0.72%)
 (9)詐欺 7,484件 (+20.28%)
 
(3)邦人被害事案
邦人逮捕事案が2件発生した。1件目は違法物(未成年の画像(児童ポルノ)が入った携帯電話)所持の容疑、2件目は野生動物(トカゲ)の違法な持ち出し容疑で逮捕された。
また、日本政府が2018年12月25日の閣議において、2019年6月末をもってIWC・国際捕鯨取締条約等から脱退することを受け、今後反捕鯨・反イルカ漁団体等による抗議活動が行われた場合、近寄ることなく,巻き込まれないように注意を呼びかける領事メールを在留邦人に送付した。
 
3 テロ・爆弾事件発生状況
特異な事件は報告されていない。
 
4 誘拐・脅迫事件発生状況
特異な事件は報告されていない。
 
5 日本企業の安全に関わる諸問題
当地では一般的に対日感情は良好であり,現在までのところ日本企業にとって安全面で脅威になる問題は認められない
他方、上記(3)のとおり、反捕鯨・反イルカ漁団体の動向等について注意を要する。