総領事の挨拶

令和4年10月17日
10月8日に着任しました内藤康司と申します。「世界で最も美しい街」として知られるパースに着任し、美しい景観ととともに人々の温かさに感銘を受けています。
 
時代は、ウクライナ侵攻後の世界的エネルギー問題の中、パースが州都となる西豪州は、日本が輸入するLNGの約2割を安定供給する拠点(西豪州産LNGの44%が日本向け)として重要性を高めています。また、1960年代以来の鉄鉱石の輸入は、日本経済の発展に大きく寄与し、現在も日本の輸入する鉄鉱石の6割を西豪州から輸入しています。さらに脱炭素を目指す両国の努力において、水素、アンモニア、CCS等の協力が加速しつつあり、また燃料電池に不可欠な重要鉱物資源においても取り組みが進んでおります。食料安全保障の面でも、日本の小麦輸入の1割以上が西豪州産小麦(うどん用)です。
 
豪州は、安全保障の側面においても鍵となる国のひとつであり、「自由で開かれたインド太平洋」やクアッドの取り組みにおける重要国です。両国は、民主的価値と法の支配に基づく国際社会構築において共通の認識をもっています。「特別な戦略的パートナー」である豪州を支える重要な州として、西豪州は存在感を高めています。
 
こうした協力関係を支えているのは、日本や日本人の価値観や考え方に対する西豪州の人々の理解の深さとリスペクトだと思います。信頼関係は、当地に定住された日本人の方々が困難を乗り越え、架け橋として長い年月をかけて築かれてきたものであることを忘れてはならないと思います。今では西豪州だけで11の姉妹・友好都市交流が進められ、日本語は、インドネシア語と並んで、西豪州の学校で最も学習されている外国語となっています。
 
このような西豪州と日本との多面的な協力関係を一層前進させ、文化的、知的交流活動等を通じて良好な友好関係がさらに深まるよう、関係の皆様にご教示をいただきながら努力して参りたいと思います。
 
最後になりましたが、邦人の皆様の安全を守る総領事館として情報発信と邦人保護のためのサービスを積極的に行って参ります。お困りのことがございましたら、お気軽にご相談いただきますようお願いします。
 
どうぞよろしくお願い申し上げます。
 
在パース日本国総領事
内藤 康司