砕氷艦しらせ艦上昼食会での内藤総領事の挨拶
令和5年3月27日
砕氷艦しらせ 波江野艦長、第64次南極観測隊・越冬隊の皆様、海上自衛隊の皆様、そして西豪州日本人会、西豪州日本クラブの皆様
在パース日本国総領事の内藤です。南極観測の任務を無事遂行されてのフリーマントル港への寄港、誠にお疲れ様でございます。
本日の昼食会の共催者としてひとことご挨拶をさせて頂きます。
昨日総領事館にて午前に無事着岸されたとのご報告をいただきました。心より歓迎申し上げます。砕氷艦しらせと言えば、過去58年間、コロナ渦の2年間は例外となりますが、ほぼ毎年フリーマントルに寄港して頂いております。しらせのオレンジ色の船体は、西豪州の日本人社会のみならず、フリーマントル市、オーストラリア海軍、そして西豪州市民にとり日豪友好の象徴として親しみをもって受け止められています。科学、勇気と忍耐、地球課題への国際貢献、子供たちに夢を与えることを含め、しらせと南極観測隊員の姿は日本人のすばらしさを象徴するように、特別な尊敬をもって受け止められています。
昨夜は、テレビ朝日の報道ステーションの「南極ノート」で4ヶ月間の南極越冬隊同行取材を終えた吉田記者のレポートを見ました。4ヶ月ぶりに寄港地に降り立ち、街にはにおいがあることにあらためて気づき、まるで小説を読み終えたときの喪失感さえ感じるとのレポートを拝見しました。美しいオーロラや、3年で15キロ溶けたというトッテン氷河と気候変動の影響に関する調査の報告もありましたが、日本にいる方々に任務における苦労や感動を随時共有されてきたことは素晴らしいことだと思いました。
100年に1度の感染症の世界的蔓延により、洋上関係者は大きな苦労があり、南極大陸にコロナを持ち込まないという責任を果たすため、大変なご苦労があったとうかがっています。私は、前職はアフリカ大陸最南端のケープタウンでしたが、第61次越冬隊の1名が、体調を崩し、緊急帰国されるというオペレーションに関わりました。2020年5月の南アフリカの厳しいロックダウンの中、特別許可を得て上陸し、日本人医師と2名、針の孔を通すような綱渡りで帰国する緊急オペレーションでした。
コロナとの戦い、世界中の厳しい上陸規制との戦いにおいて、どんな状況でも粘り強い努力で耐えて、必要な措置を講じ、また関係者の協力を得ながら乗り越えられてきた皆様のご尽力に敬意を表します。
当地では、昨年国境が再開し、10月には岸田総理が来訪され、エネルギー資源、安全保障協力など「特別な戦略的パートナーシップ」はさらに高い次元へと引き上げられました。日豪関係で重要な要素が、西豪州に凝縮されていることから、さらに注目を集め、今年に入り西豪州首相や関係閣僚の訪日、コロナで停止していたパース東京直行便も秋には再開となるとの発表もあるなど、関係は一層強化されています。姉妹都市や学生交流も活動を再開したところです。
こうした日豪友好気運も背景に、砕氷艦しらせと南極観測隊が「地球の健康診断」とも言える重要な任務でさらなる成果をあげられ、さらに発展をされることを願いまして、私の挨拶に代えさせていただきます。
在パース日本国総領事の内藤です。南極観測の任務を無事遂行されてのフリーマントル港への寄港、誠にお疲れ様でございます。
本日の昼食会の共催者としてひとことご挨拶をさせて頂きます。
昨日総領事館にて午前に無事着岸されたとのご報告をいただきました。心より歓迎申し上げます。砕氷艦しらせと言えば、過去58年間、コロナ渦の2年間は例外となりますが、ほぼ毎年フリーマントルに寄港して頂いております。しらせのオレンジ色の船体は、西豪州の日本人社会のみならず、フリーマントル市、オーストラリア海軍、そして西豪州市民にとり日豪友好の象徴として親しみをもって受け止められています。科学、勇気と忍耐、地球課題への国際貢献、子供たちに夢を与えることを含め、しらせと南極観測隊員の姿は日本人のすばらしさを象徴するように、特別な尊敬をもって受け止められています。
昨夜は、テレビ朝日の報道ステーションの「南極ノート」で4ヶ月間の南極越冬隊同行取材を終えた吉田記者のレポートを見ました。4ヶ月ぶりに寄港地に降り立ち、街にはにおいがあることにあらためて気づき、まるで小説を読み終えたときの喪失感さえ感じるとのレポートを拝見しました。美しいオーロラや、3年で15キロ溶けたというトッテン氷河と気候変動の影響に関する調査の報告もありましたが、日本にいる方々に任務における苦労や感動を随時共有されてきたことは素晴らしいことだと思いました。
100年に1度の感染症の世界的蔓延により、洋上関係者は大きな苦労があり、南極大陸にコロナを持ち込まないという責任を果たすため、大変なご苦労があったとうかがっています。私は、前職はアフリカ大陸最南端のケープタウンでしたが、第61次越冬隊の1名が、体調を崩し、緊急帰国されるというオペレーションに関わりました。2020年5月の南アフリカの厳しいロックダウンの中、特別許可を得て上陸し、日本人医師と2名、針の孔を通すような綱渡りで帰国する緊急オペレーションでした。
コロナとの戦い、世界中の厳しい上陸規制との戦いにおいて、どんな状況でも粘り強い努力で耐えて、必要な措置を講じ、また関係者の協力を得ながら乗り越えられてきた皆様のご尽力に敬意を表します。
当地では、昨年国境が再開し、10月には岸田総理が来訪され、エネルギー資源、安全保障協力など「特別な戦略的パートナーシップ」はさらに高い次元へと引き上げられました。日豪関係で重要な要素が、西豪州に凝縮されていることから、さらに注目を集め、今年に入り西豪州首相や関係閣僚の訪日、コロナで停止していたパース東京直行便も秋には再開となるとの発表もあるなど、関係は一層強化されています。姉妹都市や学生交流も活動を再開したところです。
こうした日豪友好気運も背景に、砕氷艦しらせと南極観測隊が「地球の健康診断」とも言える重要な任務でさらなる成果をあげられ、さらに発展をされることを願いまして、私の挨拶に代えさせていただきます。