海外安全対策情報(2020年4月~6月期)

2020/8/12
1 社会・治安情勢
新型コロナウイルスの影響により,在宅勤務を余儀なくされる方が増えた中,なりすましメールや遠隔操作による振り込め詐欺事案等が発生した。また,家庭でのストレス増加に起因した児童虐待等の家庭内暴力が懸念されている。
 
2 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
(1)2020年4月~6月期の総犯罪発生件数は52,586件。パース首都圏では西豪州全体の76.51%の犯罪が発生している。例年通り気温の低下とともに犯罪件数が減少したが,コロナウイルス感染拡大による影響か,総犯罪件数は2019年4月~6月期は68,104件。2020年1月~3月期は72,536件であったことから,今期は大幅に件数が減っていることが伺える。
 
(ア)窃盗事件
 依然として総犯罪件数の約3分の1を占める犯罪であることに変わりはない。財布などの貴重品の管理は細心の注意を払い,基本的防犯対策を講じ,また,不審に感じる場面に遭遇した際にはすぐにその場を立ち去ることが必要。
(イ)薬物犯罪
 報道によれば,2019年に行われた配水検査の結果,西豪州民のメタフェタミン(覚醒剤)使用率は豪州で一番高かった。西豪州警察は対策を取っているが,先般も西豪州南部のエスペランスで大量の薬物が発見されるなど深刻な状況にある。薬物は,暴行,窃盗など多くの犯罪増加にも繋がっており、引き続き注意が必要。
(ウ)詐欺事件
詐欺事件のほとんどがクレジットカードに関連するものであり,特にスキミング被害が多い。西豪州警察はその対策として,絶対に他人にパスワードを教えない,定期的に使用履歴などを確認するなどを呼びかけており、銀行口座の暗証番号等の管理を徹底する必要がある。新型コロナウイルスに関連する詐欺事件も報告されており,不用意に個人情報を電話口等にて提供することのないよう注意するよう呼びかけている。
 
(2)20年4月~6月の主な犯罪発生件数内訳
   (前年同期比(19年4月~6月))
 (ア)西豪州全体 (合計52,586件 (▲22.79%))
    (1)家庭内暴行   5,139件 (+13.97%)
    (2)家庭外暴行   2,645件 (▲ 2.29%)
    (3)脅迫        1,552件 (+ 6.89%)
    (4)住居侵入窃盗  2,908件 (▲48.50%)
    (5)殺人           24件 (+20.00%)
    (6)窃盗       12,101件 (▲45.86%)
    (7)性犯罪      1,623件 (+53.98%)
    (8)麻薬       8,650件 (+15.20%)
    (9)詐欺       4,362件 (▲33.41%) 
 
 (イ)パース首都圏(合計40,234件 (▲23.23%))
    (1)家庭内暴行     3,049件 (+14.49%)
    (2)家庭外暴行     1,860件 (▲ 7.42%)
    (3)脅迫         1,047件 (+ 4.08%)
    (4)住居侵入窃盗   2,269件 (▲46.33%)
    (5)殺人            15件 (+ 7.14%)
    (6)窃盗        10,542件 (▲44.37%)
    (7)性犯罪        1,134件 (+48.24%)
    (8)麻薬         6,436件 (+23.15%)
    (9)詐欺         4,034件 (▲31.39%)
 
(3)邦人被害事案
 新型コロナウィルスにかかる東洋人に対する風評被害について
 新型コロナウイルスに関連し,アジア系市民に向けた暴言等の差別行為が数件報告されており,在留邦人も被害に遭った旨数件報告されている。在留邦人へ対しては,領事メールや当館ホームページなどで,風評被害に遭ったら当館へ連絡するよう引き続き呼びかけている。
 
3 テロ・爆弾事件発生状況
 (ア)特異な事件は報告されていない。
 (イ)テロ警戒レベルは引き続きレベル3の「起こる可能性がある(Probable)」である。パースはテロの脅威度は東海岸の都市に比べて低いとみられているが,豪州を含め多くの国でISILの帰還戦闘員の問題が発生しており,注意を要する。
 
4 誘拐・脅迫事件発生状況
 特異な事件は報告されていない。
 
5 日本企業の安全に関わる諸問題
 当地では一般的に対日感情は良好であり,現在までのところ日本企業にとって安全面で脅威になる問題は認められない。